April 20, 2005

1999年の夏休み

4.20.jpgもう17年も前の作品なんだなぁ。

初めて観たのが高3の夏休み。
深津絵里ファンだったぼくは、
「とりあえず観とくか」と
内容もよく知らないままビデオを借りてみた。

そして、ものの見事にハマッた。

少女漫画家・萩尾望都の『トーマの心臓』が原作で、森に囲まれた全寮制の学校が物語の舞台。
登場人物は、たったの4人。その全キャストが女性でありながら、みな少年役を演じている。

テーマは「少年期そのものへの愛」といったところだろうか(「同性愛」という限定的なものではなく)。
女性ばかりのキャスティングとはいえ、一部のキャラクターには男性声優がアフレコで声をあてるなど、
観る者に性の境界線を意識させない手法が取られているため、
特殊な世界観設定の作品ながら抵抗感は意外に薄い。

それぞれのキャストの芝居は荒削りで、お世辞にも巧いとは言えない。
セリフもジェスチャーも、オーバーな上にやや現実離れしている。
しかし、逆にそれによって≪大人になることへの拒絶反応≫が全身から熱を帯びて表現され、
時に乱暴な形となって現れる≪今の自分≫や≪今の世界≫への
縋るような想い(愛着・執着)を映像として綴ることに成功している。

また、とにかく自然の描写が瑞々しく、
空の青や森の緑がここまで美しく感じられる映画には、この作品をおいて後にも先にもお目にかかっていない。

ヘルマン・ヘッセの世界が好きだという人には、一度観てもらいたい。

最後に一応断っておくが、ぼくは特に少女漫画の愛好家というわけでもなければ、
そっち方面の趣味も持ち合わせていない。

April 20, 2005 08:23 PM