April 14, 2005
半島を出よ -3-
それは「奇蹟」でも「聖戦」でもなかった。
直接的かつ大規模な武力衝突が
描かれることを想像していたけれど、
少年たちの戦いは
息を殺しながらのものだった。
彼らの計画が実行に移されるくだりはかなりご都合主義的な展開で、
読んでいて少なからず鼻白んでしまう自分がいた。
しかし、どこまでも克明に描写される静かなる戦いが、
確かな興奮をもたらしてくれたことは間違いない。
その興奮は、立ち上る炎のような勢いを伴わない代わりに、
スチールウールに飛んだ火の粉がチリチリと燃え広がっていくような、
そんな性質を持っていた。
そして迎えた破壊的なクライマックスは、
残酷であると同時にこの上ない美しさを湛えていた。
April 14, 2005 10:22 AM
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