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July 17, 2005
宇宙戦争
何といっても恐ろしさが際立つ作品。
映画を観てあんなに怖いと思ったことは初めてだ。
いろいろと腑に落ちない点はあるし、
ラストは腰砕けの感も大きいが、
あれだけの絶望感を映画を通して味わったことはない。
*以下、未見の方は要注意!*
人間の尊厳など意味を持たず、「なぜ死ななければならないのか?」を問う間もなく蹂躙されていく命。
さらには人の体から抜かれた血液が、液肥同然に地上に撒かれていく。
計画的な大量殺戮、人体の再利用。
ナチス・ドイツのホロコーストと同じことが、宇宙からの侵略者によって繰り返されていた。
残虐かつあまりにも無慈悲な侵略者の行為を、人はかつて自らの手で行っていたのだ。
物語は、戦時下における市民の逃亡劇を描写することに徹している。
よくあるSF大作に求められるようなヒロイズムやカタルシスは、本作では皆無に等しい。
得体の知れない恐怖、そしてひとりの人間としての無力感。
レイは、自分たち家族が置かれた状況をどれほど呪ったことだろう。
結果的に子供たちを守る役目こそ果たせたものの、
息子を死地に放った事実、人を殺めたことによる自責の念は、
彼の一生に暗い影を落とすものとなるはずだ。
劇中で描かれた異星人による破壊と殺戮は、街の聖堂が崩れ落ちる場面から始まった。
そして、どれだけの命が踏みにじられようと、奇蹟など起こりはしなかった。
それでも最後に人類を救ったのは、神が創り賜うた自然そのものだったのだが…。
この作品のキャッチコピーは、「人類最後の戦争は、人類が起こしたものではない」。
しかし、未曾有の危機を経てもなお、世界人類的な意識の変容は成し遂げられなかった。
作中の人類は、互いに手を取り合うことで侵略者に対する勝利を手にしたのではないのだ。
世界には依然として、さまざまな格差や相互の不理解が存在し続けるに違いない。
理性のタガがどれだけ緩いものであるかということを自戒しなければ、
あの戦いを「最後の戦争」にすることなど、とても叶わない。
クライマックスシーン。シールドを失ったトライポッドへの反撃時、
レイチェルは爆音の中で生き残ったすべての人に代わって「もう嫌だ!」とでも言うように、
ありったけの声で言葉にならない叫びを挙げ続けた。
その戦争への嫌悪感を、人々はいつまでも胸に刻み付けておくことができるだろうか?
July 17, 2005 10:28 PM
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