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May 29, 2006
ファイナルファンタジー XII
投げ出したい思いにとらわれるその都度、
「この先に行けば、きっと何かあるはずだ
(仮にもこれはFFなのだから)」と自らに言い聞かせ、
90時間以上を費やしながらようやくプレイ終了。
…何もなかった。本当に何も。
クリア後の今、スクウェア・エニックスという業界の雄が
『ファイナルファンタジー』の名を冠してこれを発売したことが、
ただただ信じられない。
RPGであるにもかかわらず、ストーリーはきわめて貧弱。
ヒロイック性が決定的に欠落しているため、気持ちが始終高揚しない。
ことあるごとに≪戦争≫という語を持ち出そうにも、それによってドラマティックな空気がもたらされることはなく、
プレイヤーにとってはいつまでたっても対岸の火事。
なぜその戦争が起こった(あるいは起ころうとしている)のかがまったく理解できず、
それに歯止めをかけるのだという使命感が湧かない(=プレイを継続させるだけの動機付けが不足している)。
世界観的肉付けも不十分なまま、ただ便宜的に交わされるだけの「破魔石」や「オキューリア」といった固有名詞群は、
小道具としての役割も果たせずプレイヤーを置き去りにするばかり。
それゆえ、無表情にそれらを受け入れてしまうキャラクター(特に主人公)にも、一切の感情移入ができない。
「○○という土地に行って△△を取ってこい」の繰り返しは、確かにRPGらしい体裁を整えてはくれよう。
しかし、今さらそれを面白がれるほど、ゲームファンは未熟でも呑気でもなければ、寛容でもない。
さらに、そうしたクエストのひとつひとつにかなりの時間を取られるため、
“何の目的でここにいて何をやっているのか”がプレイの最中にも不鮮明になっていく。
そして、盛り上がりのない作業の連続に、渦巻く疑問はいつしか苦痛へと。
ラスボスですら、憎たらしくもなければ恐ろしくもない、ただわがままなだけの分からず屋。
行動原理はおろか存在意義すら測りかねる敵に対して「こいつを倒さねば!」という気など起こるはずはなく、
機械的に数値のやり取りを行っているうちに、緊張感のないバトルはいつの間にか終了した。
達成感・充実感ともにゼロ。残ったのは虚しさばかり。
収拾がつかなかったプロジェクトをどうにか売り物にするため、無理やり形にしただけの代物。
残念ながら、印象としてはその程度。
あらゆる要素がバラバラでまとまりがなく、総体としていびつでグロテスク。
何を楽しんだらよかったのだろう?
感動も驚きも、ましてや喜びさえも提供できないものが、果たしてエンターテインメントと呼べるだろうか。
以上、¥8,000以上の購入代金を支払ったことと、ひと通りのプレイに要した時間の対価として。
May 29, 2006 12:14 PM
Comments
こんにちは。紅竹です。
いやぁー580さんの言葉の運びにただただ関心しきりです。
FFなんてどうでもよくなっちゃいましたね。
(忙しくて5,6時間しかやってませんが^^;)
あいかわらずの冴え渡った文才の技に
なまくらゲームでモヤモヤした想いがすっきりしましたー。
posted by 紅竹 : May 29, 2006 09:20 PM
紅竹さん、おはようございます。
Amazonのカスタマーレビュー、スゴイことになってますね。
今や50%OFFの投げ売り状態です。
『ファイナルファンタジータクティクス』や『ベイグラントストーリー』は好きだったので、
松野泰己・吉田明彦両氏主導の本家FFがどうなるか楽しみではあったんですけどね。
松野氏の降板劇以前からキナ臭さは漂ってましたが、それにしてもこれほどとは…。
PS3でリリース予定の『XIII』は、凶数を跳ね返す1本になるでしょうか?
個人的には「もうイイや」な気分でいっぱいです。
posted by 580 : May 30, 2006 08:32 AM
これのために本気でPS2買おうか悩んでた私です。
よかった。我慢してホントによかった・・・。
ちなみにうちにあるゲーム機はPSだけです。
posted by オノユン : June 2, 2006 02:23 AM
おぉっと! それはとんだ無駄使いになるトコロでしたね~!!
ムービーシーンだけでゴリ押しするTV-CFの大攻勢に乗せられなくて、正解でしたよ。
シリーズお得意のCGも、もういい加減“今さら感”が鼻についてきます。
何よりも、キャラクターの表情の乏しさに閉口です。
posted by 580 : June 2, 2006 09:01 AM