July 31, 2006

Clouds Across The Moon / 砂原良徳

7.31.jpg「まりん」こと砂原良徳(元電気グルーヴ)の
1st ソロアルバム『CROSSOVER』に収録された
"Clouds Across The Moon "。
アルバム自体はあまり好きになれなかったんだけど、
全10曲中で唯一ボーカルが入ったこの曲は
その歌声とメロディが強く印象に残っていた。

元々は、イギリスの RAH Band(ラー・バンド)というグループが1985年に発表した曲
(カバー曲だというのは知ってたけど、RAH Band の名前は今回調べて分かった)。

Hiya darlin' ! How are you doing ?
Hey baby, were you sleeping ?
Oh I'm sorry, but I've been really missing you !

歌詞はあまり気に留めないまま聴いてたんだけれど、
それでも"Hiya darlin'"とか"Hey baby"くらいは聴き取れてたこともあって、
「遠距離恋愛中のカップルが電話してる内容なんだな」ってくらいはイメージできてた。
で、その電話の最中にふと夜空に目をやると、互いが見ている月を雲が横切った、と。
平凡だけどそれなりにロマンティックだよなぁ、なんて思ったりして。

ところが、よくよく調べてみたら、実際にはこんな内容だったんで驚いた。

"Good evening. This is the intergalactic operator. Can I help you ?"
"Yes. I'm trying to reach flight commander P.R. Johnson, on Mars, flight 2-4-7"
"Very well, hold on please. Your through !"
"Thank you operator !"
Ooooh... I've had a million different offers on the phone.
But I just stay right here at home.
I don't think that I can take it anymore this crazy war.

"intergalactic"? "Mars"? "war"? ……ひょっとして、コレって宇宙戦争!?
何と! この曲の背景にそんな悲劇があったなんて!!
てっきりスィートなラブソングだとばかり思っていたこの歌の詞には、
戦地に向かった軍人の夫とその帰りを待つ妻の、
胸を締め付けられるような切ないやり取りが描かれていたのだ。

宇宙戦争なんてシュールなモチーフを通して、反戦というテーマをポップに紡ぐ。
コレって、音楽にしかできない芸当だよなぁ。スゴイなぁ、RAH Band。

話をまりんに戻すと、曲のクォリティは彼のカバーの方が数段高い。
80年代的なチープ感は巧く拭い取られ、上質なエレクトロ・ポップとして聴ける仕上がりになっている。
何より、甘美な女声ボーカルとそれに絡むストリングスに耳を澄ませているうちに、気持ちが穏やかになる。
クジラの鳴き声のサンプリング音も、スペーシーな浮遊感が感じられて心地いい。
ここで試聴ができる(ページの下の辺り)ので、興味を持った方はぜひ。
「いいな」と思ったら、ダウンロードして1曲通して聴いてみて欲しい。
210円のDL料金以上の価値は、絶対にあると思う。
ちなみにアルバム『CROSSOVER』(リリースはもう11年前)も、今では結構気に入っている。

あと、RAH Band の演奏の模様が YouTube にあったので一応。
歌はイイんだけど、ビジュアルがアレなんだよなぁ(PVはもっとアレだったので、あえてこっちにした)。

July 31, 2006 01:56 PM

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