May 21, 2007

パッチギ!(無印)

5.21.jpg『パッチギ!』をテレビでやってたから観たんだけど、
世間(というか、日本アカデミー賞のお偉方)で
高く評価されるほどのモノだろうかなぁ?
とにもかくにも、脚本が稚拙過ぎ。
あれじゃあ、井筒サンの欲しい画を
ただ繋ぎ合わせただけなんじゃないの?

バスをひっくり返しといて、お咎めナシ?
どれほどのケガ人が出るかも分からないような状況で、親善サッカー?
(それも、あんな一触即発の状況で生徒だけを遣いにやって)
そんなこんなは置いといて……っていうのがあまりにも多過ぎて、
アラ探しする気はないのに、冷静に観ていられない。
パッションだけでゴリ押しする展開、ちょっと大人気ない。

バイオレンスシーンがしつこいのもなぁ。
「コレで、レーティングなしなの?」ってくらいにエグいし。
作品内では、あれは戦争そのものということだろうから、
制作サイドにとっては生温いくらいの描写なんだろうけど。
テーマ的には若年層にこそ見せたい(であろう)ものを扱っているにもかかわらず、
結果として「見せたくない」と思わざるを得ない映像になっている。
エゴや作家性みたいなものとテーマ性とが作品内でケンカしちゃって、
「誰に観てもらいたいの?」ってくらいの自己矛盾を生んでいる感じ。

クライマックスとなる友人の死からの一連の流れも、突っ込みどころ満載。
ご都合主義もいいところ。

あの赤い腹巻、大事なものなら自分で持って行くだろうに。
ギターを自分から壊しておいて、それでもラジオ局に向かうのはなぜ?
血と泥に汚れた人間が、そんな簡単に新生児室に入られちゃあ…… などなど。

ただ、友人の亡骸の前で「お前たち日本の若い者は、何も知らない」と
お爺さんが語るくだり、あれはただの説教に聴こえないくらい、
言葉のひとつひとつに重みがあった。笹野高史、さすが。

群像劇の中の役割としては、
人物同士・場面同士をくっ付ける接着剤以上の何物でもなかったものの、
あの朴訥過ぎる主人公って嫌いじゃないな。
もう少し明確なキャラクター作りがされていたら、もっと感情移入できたのに。

シーンごとの画作りは抜かりないし、セットもよくできてる。
笑っちゃうような映像も含めてあれを本気で撮り切ったっていうのは、
熱意ばかりのなせる業じゃないとは思う。

同じ“日本の中のアジア”から話が広がる映画でいえば、
大林宣彦の『北京的西瓜』の方が素直に心を打つし、好きだな。

May 21, 2007 12:36 AM

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